fanwoodのブログ

70代老人の呟き・写真・俳句・暮らしなど。

蚕起食桑

蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)5月21日~25日

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蚕が桑の葉を食べ出す。歳時記では蚕は春の季語となっていますが、夏は蚕、秋は秋蚕とあります。明治時代に養蚕は隆盛期を迎え、世界一の生糸(シルク)の輸出国となりましたが、1940年には絹の代替品としてナイロンが発明され、太平洋戦争や廉価製品の拡大によって日本のシルク産業急速に縮小、2016年には全国の養蚕農家数は349戸までに減少しています。一方で日本のシルク産業の再創生を目指して、衣料品や化粧品、また食品などへの用途開発も進んでいます。

写真は岡谷市にある岡谷蚕糸博物館で撮ったものです。博物館には宮坂製糸所が日本古来の繰糸機が実際に稼働しており、繭から絹糸が出来るまでを見ることが出来ます。

   サングラスかけたるやうな夏蚕かな      扇木

      summer silkworm
      looks like

      wearing sunglasses

夏蚕いまねむり足らひぬ透きとほり      加藤楸邨
          

竹笋生

竹笋生(たけのこしょうず)5月15日~20日

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竹笋生(たけのこしょうず)5月15日~20日
東京ではすでに九州産の筍などが店頭に出回っています。「笋」は「筍」の別字体。「竹笋」(たけじゅん)も筍です。筍は古くは「たかんな」と言われ食用にされてきました。そのためか、季語「筍」は歳時記の「野菜・作物」の項に分類されています。子がその親より優れていることのたとえである「筍の親まさり」はまさに親竹と同じ高さになる筍の成長ぶりから生まれたもの。筍、竹に関した夏の季語をあげますと、竹植う、竹落葉、竹の皮脱ぐ、竹の花、若竹、竹床几、竹煮草、筍梅雨、筍流し、筍飯などがあります。ところで、竹の葉は春には黄色に、秋には青々と茂るから「竹の秋」は春の季語、「竹の春」は秋の季語となります。

 

昨日、東京都庭園美術館の「キスリング展」を観てきました。美術館は昭和8年(1933年)に朝香宮家がアール・デコ様式を取り入れて建てた邸宅を美術館に改装したものですが、当時の内装が残された貴重な歴史的建造物として国の重要文化財に指定されています。平成26年(2014年)には新館がリニューアルオープン。見学者も少なくゆったりとした気分で絵画を鑑賞することが出来ます。こぢんまりとした庭園の散歩で気持ちもほぐれます。

   緑陰や戯れの鯉睦まじく       扇木

       green shade:
       carps are playing
       affectionately

         鯉はしづかに水に逆らふ夏柳        林 翔

 

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蚯蚓出

蚯蚓出(みみずいずる)5月10日~14日

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ミミズが地上に這い出る時期ということです。「目見えず」が転じて「ミミズ」になったと言われています。ミミズは古くから漢方薬として使われていますが、近年では数種類のミミズを3世代にわたり交配させ独自に開発されたルンブルクス・ルベルスというミミズは血栓を溶かす酵素を含むことから、これを原料とした健康食品が製品化されています。もちろん、土の中の微生物などを餌にして生活する生物であり、土壌改善に効果をもたらす有益な生物として認知されていますが、その生態はまだまだ知られていないことが多い生物とのことです。

蚯蚓」は夏の季語ですが、都会に住んでいるとなかなか蚯蚓をみる機会がありません。「蚯蚓鳴く」は秋の季語。

 

子飛蝗の遊べる舞台矢車草       扇木

   a baby grasshopper
   plays on
   an arrowflower


矢車草教会で逢ふ恋いまも       宮脇白夜

立夏・蛙始鳴

立夏・蛙始鳴(かわずはじめてなく)5月5日~9日

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                                路上ライブに合わせてジャンプ

五月から夏の節季に入ります。二十四節季では立夏小満芒種夏至小暑大暑と続きます。この頃になると蛙が鳴き始めると言うのですが、都会に住んでいるとなかなか実感が沸きません。歳時記では「蛙」は春、夏は「雨蛙」「青蛙」「蟇」となります。春先に眠くなることは「蛙の目借時」と言います。


さて、5日はこどもの日ですが、元々は「端午の節句」として男子の健やかな成長を願う行事が行われていたことから発していますが、
男の子の節句とされるようになったのは武家時代以降とのことです。

      

    栄光を目指すジャンプや夏立てり     扇木

      jamping to aim at
      achieving success:
      the beginning of summer

    恐るべき君等の乳房夏来る        西東三鬼

 

牡丹華

牡丹華(ぼたんはなさく)4月30日~5月4日

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牡丹の花咲く季節。中国では「花王」と賞され、中国名「牡丹」、「ぼたん」はその音読みです。俳句では夏の季語として扱われ、傍題として、「富貴草」「深見草」などがあり、「ぼうたん」という柔らかく優雅な呼び方も牡丹にふさわしいく感じます。

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ところで、一番最初に掲載した信楽焼きの狸の置物の脇に星形の小さな花が集まった王冠のようなきれいな紫の花が咲きました。初めて見る花なので名前は知りません。グーグルで「草花 紫色 初夏」で検索したところ、「シラー・ペルビアナ」であることが判明。原産はヨーロッパとのこと。道脇に咲く花にはもったいないようなゴージャスな花ですね。そして近くには木香薔薇が満開です。

 

   切り口の鋭き薔薇をもらいけり   扇木

      received
      a rose with
      a sharp cut end

   白牡丹といふといへども紅ほのか   高浜虚子

Pretty Woman

Oh, Pretty Woman

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Pretty woman, walkin' down the street
Pretty woman the kind I like to meet

 映画『Pretty Woman』は1990年に公開されたリチャード・ギアジュリア・ロバーツ主演のロマンティック・コメディ。ロイ・オービソンの「オー・プリティ・ウーマン」が主題歌に起用され、リバイバルヒット。私の好きな曲の一つ。

南青山を歩いているとドレスショップ前の歩道脇のボックスが眼に入った。何かと見たところドレスが飾られていた。いわばボックスショーウィンドウと行ったところ。面白いと思って一枚。そこにプリティ・ウーマンが通りかかった。perfect timing!

    青山の迷路めく路地春日和    扇木

         off-street in Aoyama
         looks like a maze:
         fine spring weather

    深川や低き家並のさつき空    永井荷風 

霜止出苗

霜止出苗(しもやみてなえいずる)4月25日~29日

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霜が降りなくなり稲の苗が生長する時期です。霜は冬の季語ですが、春の季語として「春の霜」のほかに「別れ霜」(傍題として「忘れ霜」「霜の名残」「霜の別れ」「霜の果て」「晩霜」)があります。これは、春遅くなってから降りる霜のこと。古来「八十八夜の別れ霜」と言って、立春から数えて八十八夜(五月二日頃)に最後の霜が降りると恐れられていました。

先週の日比谷公園はチューリップやネモフィラが咲き乱れ、暖かい日差しが降り注いでいました。そんな中、母親が幼児を抱えて空に放り上げた瞬間を捉えることができました。背景のビルの窓は雲を映す鏡となり、素晴らしい舞台装置での一瞬でした。このような写真が撮れる瞬間が楽しいですね。

 

    天上に翔べとばかりに風光る  扇木       
       taking a child in her arms
                      as to let him fly off in the sky:
                      the wind shines 

             春園のホースむくむく水通す  西東三鬼