fanwoodのブログ

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70代老人の呟き・写真・俳句・暮らしなど。

穀雨 葭始生

穀雨 葭始生(あしはじめてしょうず)4月20日~24日

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穀雨二十四節気の第六番目。この日から次の節気の立夏前日までとなります。すべての穀物を潤す春の雨である穀雨は田畑を潤し、穀物は生長始める時季です。

また、葭始生は葭が芽を出し始める時期です。葦は河川の下流域や干潟に生育する植物です。多数の茎が水中に並び立ち多くの水生動物の住みかや隠れ家になり、浄化作用も持っています。葦簀(よしず)や茅葺き屋根の材料として使われるなど人間の生活にも深く関わりのある植物です。

写真は根津美術館の特別展・尾形光琳の「燕子花図屏風」(国宝)を鑑賞したあと、庭園の散策で撮った松の新芽です。松葉の間から鉛筆のように真っ直ぐ伸びています。この新芽を季語では「若緑」。傍題に「松の緑」「松の芯」「緑立つ」「初緑」があります。その先端に出た赤いのが雌花。付け根にたくさんの黄色い雄花が見られるようになります。誠に変わった松の花の出現となります。来月には庭園にも燕子花が咲くことでしょう。

 天心へこぞりて伸ぶる松の芯   扇木
      buds of pine
      all growing up
      to the sky    

    志松にもありて松の芯      鷹羽狩行
  

虹始見

虹始見(にじはじめてあらわれる)4月15日~19日

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 虹が初めて出る頃の時期です。季語は「春の虹」。その年に初めて見る虹は「初虹」となります。虹は大気中の雨粒がプリズムの役割をして出来るために、太陽の光の強さが必要です。雨粒が大きいほど色も鮮やかになります。雨の少ない冬は珍しく、春の虹もまだ淡く消えやすい虹ですが、冬の光が春に変わったことを教えてくれる自然現象と言えます。

 写真は八ヶ岳で遭遇したブロッケン現象。午後3時でしたが、背中から太陽が差し込み私の前の雲に自分の影が映り、自分の影の周り虹色の輪が現われました。何やら私に後光が発した風で、これで極楽浄土への切符を得たのではと思った次第。2回目の経験でした。

  涅槃西風ブロッケンの虹の色   扇木

      wind from wester pure land:
      the color of rainbow
      in brocken specter

  鎌倉に黒き海あり涅槃西風   石塚友二